記事のタイトルサンプル Copy

現代社会では「プロジェクト」という言葉はよく使われています。しかし、その定義は何かと訊かれれば、正確に答えられる人はそう多くはないでしょう。

そもそもプロジェクトとは、どのようなものなのでしょうか。

冒頭でご紹介した PMBOK によると、プロジェクトとは「独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する有期性の業務」(PMBOK 第5版)と定義されています。

つまり、プロジェクトは、「今ある状態から、あるべき状態にするために行う、スタートとゴールのある一回限りの連続した業務である」ということです。

これは、これまで日本社会で広く行われてきたルーチンワーク(特定の作業の繰り返しを基本とする定型的な業務)とは、全く性質が異なります。例えば、工場で車などの工業製品を大量生産する際は、決まった規格で品質の高い製品をできるだけ効率的に安く多く作っていくことが求められます。そこで重要なことは、決められたルールに沿って、正確かつ効率的に一連の業務を繰り返し行っていくことです。今でも製造業が経済の大きな割合を占める日本はルーチンワークが仕事のやり方の中心であったと言えるでしょう。

しかし、今の時代はルーチンワークだけで激化する競争に打ち勝ったり、 IT を利用した新規事業で新しい価値を生み出していったりすることは困難です。今後、日本でも欧米諸国と同様にプロジェクト的な働き方を身に着けていくことは必須と言えるでしょう。

それでは、プロジェクトではどのような働き方が必要とされるのでしょうか。

プロジェクトでは、スタートとゴールはある程度決まっていることが多いものの、実際に業務で実施する具体的な中身が不確実なものがたくさんあります。これはプロジェクトを始める時に「何をやればいいか」が明確に決まっていない作業が多いということです。

さらに、取り組むテーマによっては、プロジェクトメンバーの全員が初めてその業務に取り組むというまっさらな状態も珍しくありません。プロジェクトでは全く同じ業務を同じメンバーで経験済みということは、まずないのです。ここがプロジェクトとルーチンワークの大きな違いです。

これはスポーツで例えるとサッカーのようなものです。サッカーにはルールがあるものの、ゲームの内容は天候や選手の調子、戦う相手との緊張関係などで毎回変わります。それと同様に、プロジェクトもまた一期一会。経験があるプロジェクトマネージャーであれば最初に大まかな計画を立てられるものの、やることが全く同じプロジェクトは存在しません。

そこがプロジェクトの面白さであり、難しさでもあります。