プロジェクトマネージャーのスキルレベル

本章でお伝えした通り、プロジェクトマネージャーのスキルレベルは玉石混交なのが現実です。スキルレベルと担当するプロジェクトがアンマッチの場合、プロジェクトの成功率が大幅に下がり、炎上してプロジェクトマネージャー自身やメンバーが鬱になったり、離職したり、関係する企業が経済的に損害を受けたり、それに伴って事業戦略が遅延するなどの大きなダメージを受ける可能性があります

プロジェクトマネージャーに憧れていたり、自己顕示欲が強い人は自分ができない/やったことがないことも「できる」と主張したりして、周囲を巻き込んで大きな失敗をしてしまうことがありますので、プロジェクトへのアサインは慎重に検討する必要があります。これは登山に例えると、未熟なガイドに依頼して無謀な登山に挑戦した結果、みんなが遭難してしまうようなものです

また、プロジェクトマネージャーとして大きすぎる負担を引き受けて身体を病んだり、ビジネス上の重要なプロジェクトで部下をアサインした際に失敗したりしないためにも、また習熟にかなり時間がかかるプロジェクトマネージャーを企業や社会で育成して増やしていくためにも、自分や担当者がどれくらいのスキルレベルがあるのかを適切に認識する必要があります。

プロジェクトマネージャーのスキルを冷静に分析するには、「具体的に自分(相手)が1人称でその業務を実施できるか/実施したことがあるか」を正確に把握することが必要です

プロジェクトマネジメントのスキルセットについては下記のスプレッドシートを無料で公開していますので、それを元に「できる/できない」や「得意/苦手」などの振り分けをしていくと良いでしょう。

もちろん、プロジェクトマネージャー1人が全ての領域を全て得意である必要はありません。その分野に詳しい人と協力して進めていければプロジェクトを成功させることは可能です。ただ、全体を俯瞰できる人は最低1人は必要になりますので、各領域でどんなことをやらなければならないかを知っておくことは必要でしょう。

企業の人事・育成担当の方は、各プロジェクトマネージャーにヒアリングしながらシートを記載していくと、育成や今後のアサイン方針を立てやすくなります。